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奇岩城

小学生の頃、「理想のタイプは?」なんて聞かれると、そも全く精神年齢の低かった自分は男の子などには全く興味が無く、その頃に毎日図書室に行っては借りていた「アルセーヌ・ルパン」と答えた。ちなみにモーリス・ルブランのルパンにぞっこんな思春期を経たため、モンキー・パンチのルパン三世は大野雄二の音楽を除いて全く受け入れられない。むしろ、ルパン3世はあまりにも世間に横行しているため、イメージがつきすぎ、ルパンを貶めているとまで考え、3世憎し・・である。


アルセーヌ・ルパンはそもそも怪盗紳士なのである。ジェントルマンで、淑女を慮り、弱きを愛し、一流の美術品を盗む。その手口は鮮やかで、必ずアルセーヌ・ルパンとサインの入った予告状を送り、人を食った方法でまんまと盗み出し、その予告といい、手並みといい、引き際といい、人の食い方といい、実に紳士的でかっこいいのである。


ルパンは、不遇の幼少期を送り、母を助けるため盗みを働くようになった。怪盗紳士となってからは、まっとうな令嬢に恋するものの怪盗という職業ゆえに身を引き、涙を呑む。可愛そうな人を見るとほってはおけない優しさで、ライバル(ガにマール警部、シャーロックホームズ)にも花を贈る余裕っぷり。かといって茶目っ気たっぷりな性格なのだ。なんといってもルパンにぞっこんになるのは、彼は表面上は悪辣な怪盗紳士なのだが、本当は傷だらけだということろである。


そんなルパンの最高傑作はやはり「奇岩城」である。この話はイジドール・ボートルレという天才高校生との対決である。ある日、ジェーブル伯爵低で殺人事件がおこったのを機にボートルレはルパンと対決することになる。ボートルレは盗まれたものは何もないという奇妙な現場で、美術品や城の修道院跡にある彫像が全てニセモノであることを見破り、盗賊の首領をアルセーヌ・ルパンと明言。現在も屋敷のどこかに隠れていると断定する。レーモンド嬢の発砲により負傷したルパンは推理どおり修道院跡の地下に隠れていたのであるが、令嬢を誘拐して脱出をし、自分が死んだと見せかけるため代わりの死体を用意する。一方ボートルレはルパンが成した窃盗の全貌を詳らかにし、加えて彼が生きていることも実証、ルパンが令嬢に恋をしていることすら暴露する。怒ったルパンはボートルレの父親を誘拐するがボートルレは暗号の書かれたメモを手がかりに、必死に推理と探索を続け、ついに父親と令嬢を発見する。ところが解読したと思った暗号は、もっと複雑なものであり、またもや有頂天になっていたボートルレを打ちのめす。なんと暗号は何世紀も前に書かれたもので、フランス王室の金庫とも言うべき宝が隠された秘密の暗号だったのだ。ボートルレはルパンが10日で見破ったという暗号を自分も解読したいと思う。こうしてルパンはその活動の根城まで追い詰められていくのである。そしてついにボートルレはルパンが世界中から蒐集した美術、調度品の数々を見ることになるのである。



「奇岩城」は何世紀にも渡りフランス王室に代々伝わる秘密の暗号いうスケールの大きさ加え、ルパンの危機が何度も訪ること、ボートルレという青年の無邪気なキャラクター、ガニマール、ホームズといったキャラクターの登場、またルパンの哀しい恋の話、幾つかの変装、間一髪の銃撃戦まで非常にドラマティックでダイナミックな話なのだ。ルパンをまだ読んだことがないという人がいればこれは一等お勧めである。


―一部抜粋

「笑った、笑った!」うれしそうにぴょんぴょん跳ねながらルパンは叫んだ。「いいかい、あんたに足りないのはね、ぼうや、笑顔なのさ。年の割りに真面目すぎるんだよ・・・あんたはとっても感じがいいし、気取ってないところはすごくいかすんだけど・・・そうさ笑顔を見せないんだ」



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