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「カンセイの法則」を観劇

谷町9丁目って混沌としてません?

夜、真っ黒な寺の背後に巨大なファッションホテルが佇み、ヤッコが200円といった安居酒屋と、こじんまりして腕のいいシェフがいそうなイタリアンレストラン、その隙間を所狭しと新旧のマンションが立ち並ぶ。ようわからんけど、進むごとに節操のない街やわ。

地下鉄谷町9丁目で下車して、難波や桜川の方に向けて大通りの坂を下ると、阪神高速の分岐点が現れる。そこを左折するとまたもや寺社の暗闇が広がり、石壁や仏具屋が続くその並びに「シアトリカル應典院」がある。

應典院は寺が劇場を併設している珍しい作りで、墓場に続く5メートルはあるだろう自動ドアや、ソフトクリームを思わすような楕円をを基調とした内部構造を持ち、コンクリート打ちっぱなしに多種のガラスがはめ込まれていて明るい採光がある。エントランスには本棚が壁一面に据え付けてあったりして、この現代建築的な寺の建造物が結構好き。前から思っていたんだけど、わりと有名な建築家が建てたりしたんやろうか。

久々に應典院に行って、「カンセイの法則」を観劇した。
(上演中につきここからネタバレ注意)

海に面した山間部の村で、村役場(町長がでてきたので町役場かな・・寝ぼけた頭なので細部のことはお許しいただいて)に勤める観光課の職員と、その村に訪れた観光客二人の話。観光客二人(石井と河合)は都内で大手のランドマーク事業を展開する会社に勤めるテーマパークプランナーで、仕事の休暇で村に訪れるという設定。

石井は都内の美容院で整えられたカットで、毎朝綺麗にセッティングされるであろうイメージ。ポロシャツの襟も立てて嫌味なく着こなしてしまう。部下の河合は清潔感があって、フレンドリーだけど人と一定距離を保ち、冷めたような表情を浮かべている。かたや村の人間は、日に焼けた赤ら顔にひどい訛りで、どうも垢抜けないが、人懐っこく屈託がない。

石井はテーマパークプランナーとして自分の働き方に、何とは分からない違和感の塊みたいなものを抱えているのだが、この村の観光課の連中と出会い、部下の河合が変わっていく中で、自らは都会に残してきた仕事にトポスのようなものを見つめ直して帰っていく。

一人役場の総務部の女性で、東京の大学を出て、当時花形のアパレルメーカーに就職したが、しっくりこない疲労感を抱えて、村に戻ったという経歴の人がいたが、先端の都会感を生きたが、役場の暖かい感じにふわっと馴染むという彼女の役どころが、演じるにかなり難しそうだなぁと思ってぼんやり見ていた。

カンセイの法則はテレビ業界に関わりの深い劇団らしく、脚本は人物の書き分けが上手く、共感と突き放しがうまい具合にあって勉強になった。トレンディー感のある演技スタイルは劇団独自のものがあるように思い、不思議。音の入りポイントやスピーカーのプランニングの幾つかは好みかもしれない。

良かったら明日まで。(あ、ネタバレだから見てない人はここまで読んでないか・・・)

帰りに金夜でごったがえす電車に乗っていて、ちょうど窓際に立っていたのだけれど、後ろから強烈な視線を感じ、窓越しにその人を見ると、目ん玉を顔の真ん中に寄せて窓を睨んでいる。この人、自分が何者か突き止めようとでもしてるんやろうか・・・と思った瞬間、前景に闇色の淀川が広がっていることに気づいて、この人が外の景色を食い入るように見ていたんだということが分かった。

瞬きもせずに見ている。

黒くて水面と空の境界線のない淀川には、両岸のビルや橋の上を通り抜ける車のネオンが散らかっていて、もしかしたらその闇の中心部には磁場が働いていて、彼の額にはめ込まれた磁力と引き合っているんかなぁ。

ふっと今日観た劇を思い出した。



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こんにちは~

☆プログを読んでいるとv-206さん少し余裕ですね。~眼帯のQ~イイ感じですね。v-222

  • 29/05/2013
  • amiami ♦-
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