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カクテル

京都にムッシュのライブを聴きにいったら、奥野と出くわした。
彼はレトルト内閣の照明家(ライティング・デザイナー)で、もう十年来の付き合いである。
最もよく喧嘩する間柄であり、会えばお定まりに言い合っている。

昔はともかく、今では河原に転がる石ころのようにまんまるな私であるが、彼だけにはカチンと来る。
「こいつは、いつも上から発言する、無礼な奴だ」とお互いが、ばっちり相思相愛で思っていて、もちろんちゃんと言葉にして、「今の発言は、上から目線だ!」などと言い、「違う、お前こそ上から目線だ」と応酬があり、双方頑固なもんだから、無意味な言い合いが地平線の果てまで続く。

奥野は内部からの作品批判が重要と思っているのか、作品が全然面白くない、とかクオリティー低いとか平気でバシバシ言う。私も当然倍額で言い返すのだが、お互いが、自分は本来、謙虚で奉仕的な性格であると思ってるからひどい。ま、でもいい加減でうっかりものの私をフォローしてくれてよく助けてもらったし、ごくたまに、「あまり人の意見を聴かずに、初稿のインスピレーションを大切にしろ」とか、私をもらってくれる男が現れたら、迷惑料に金一封を包んでやるとか、ほろっとくるようなこと?を言ってくれるときもある。私も奥野が結婚するときは、相手の女性にあることないこと言って妨害してやろうと企んでいる。

ところで話は変わるが、先日オーディションに来てくれた女性で、特技披露とかいう驚くべきオーディション内容の項目で、レトルト内閣のカクテルを作ってくれた女の子がいた。残念ながら、配役の関係から今回はその女性と一緒に作品を作ることは叶わなかったのだが、どうもそのカクテルをもう一度飲みたいと(代表がほぼ飲み干してしまった)思った。その彼女は猫がうっかり電柱にぶつかったみたいな、衝動のある可愛い演技をする方で、普段の様子もフランクで感じのいい人だった。折りしもムッシュのライブは河原町近く、彼女の働くバーは木屋町、奥野は京都在住。彼女にしてみれば、迷惑な話かもしれないが、押しかけようということになった。


偶然にも彼女はいて、厭な顔ひとつせず、笑顔でしっかりカクテルを調合してくれた。そして奥野とバーカウンターで言い合いを含む、爽快な会話をしながら、レトルトカクテルをいただいた。ジンベースの強めのカクテル。レモンとか、甘めのリキュールが入っていて、ちゃんとシャカシャカ、ジャカジャカ、カラカラ、音を立てて、軽快にカクテルを振ってくれた。カクテルを振ってる瞬間がとても好きだ、なんか会話も気持ちもぜーんぶ、音の中に収束して、何もかも忘れてしまえそうだ。奥野はカクテルグラスを一目見て、「レトルトにアンバーの色を調合するとは・・」と訳の分からないコメントを発した。そして一口飲んだあとしばしの無言タイム。「これも一種の表現か」などと微妙なことを言っていた。

ありがとう。


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