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精算会

公演が終わると数日後に「精算会」というものがある。読んで字のとおりお金を精算する会である。領収書の金額が払い戻されたり、ノルマがある時はノルマの支払いや弁当代の精算などがある。この精算、通常どこの劇団の制作さんも数日悩まされるものらしいが、うちの優秀なブレーン二人がかりで30分で終わらせたらしい。当然この優秀ブレーン二人の中に私は含まれていない、憂愁ブレーンなら入れるかもしれない・・・


とそんな詰まらない語呂合わせはさておき。この精算会、お金だけでなくいろんなものが精算される。だいたい、打ち上げは皆、高揚のあまり浮かれトンボなのだが、数日経た精算会だと頭を冷やし、色んな意見を聞いたりして、冷静に今公演の成果を分析してくる。次の目標まで打ち立ててくるメンバーもいるし、逆に目標を見失うメンバーもいる。各劇団、引っ張りだこのゲストさんなんかはもう次のリハに突入していたりする。私は打ち上げよりも、この精算会の方が好きだ。メンバーやゲストさんの表情を見たり、話を聞いたりして彼らの感情の形を確認する。


ゲストの山本さんは今回、随分悩んでいたみたいだが「十人いて十人が十通りの結論を導く形であった今回の舞台について、当初よく分からなかったが、今は意義を感じることが出来る」と言ったことを語ってくれた。映像の萱野さんは今回、なかなかの自信作だったようだ。メンバーのこみたおは「もっと繊細な演技が出来ますよ」なんて大それたことを言っていた。私もそう思う。ゲストの那伽さんや、けいちゃん(福田恵)はもう次の公演のリハに忙しいそうで、気持ちも新たにという顔をされていた。またよければ見に行ってあげてください。


それで生計を立てているわけでもないので、ゲストの方にしてもメンバーにしても評価や成功という概念から全く自由になる俳優など殆どいない。野心や野望がある一方、袋小路があり、岐路があり、障害がある、もしくは偏った人生論、変なナルシズム、思い込み、逃げ道・・・・。レトルト内閣はいつも人々のマイナス側面の中にある輝きを描いてきた。うまくいかない憤りや偏りや悩み、不安定さは決して否定するものではないことを作品を通して伝えている。消えるもの、欠けるもの、足りないもの、満たされぬもの。『負の美学』が我々の共通言語である。


演劇の魅力とは何だろう?今回の台詞にこんなフレーズがある。


「『精算性』がマイナスになるような私はそこの水溜りにでも飛び込んだほうがいいのでしょうか?」


水溜りで北島選手みたいに綺麗に泳いでみるか。


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