刺繍草紙

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見知らぬあなたへ

僕は生まれたときから腕がありません。その代わりと言ってはなんですが、背中に羽を持っています。しっ!それは僕とあなただけの秘密の話ですよ。

                                ・

僕は曇りの日曜、羽にアイロンをあてるんです。とても弱い温度でね。気が向けば時々色を染めたりもします。今はほんのりと淡い草木色です。あなたにお見せできなくて残念だと思っています。それから、綺麗に五つに畳んで、小さな携帯ポーチにしまっておくのです。

え?そんなの、なれてしまえば、サラサラですよ。ちゃんと折り目もついてる。

あと、水曜日にはシャネルスーツを着ています。僕はモードに革命をおこしたココ・シャネルをとても尊敬しているのです。だから、水曜は彼女に敬意を示すことにしています。え?とんでもない、一着しかない薄紅色のシャネルスーツは華奢な僕の体にぴったり似合うのです。

                                ・

そうしてね、時々涙を浮かべたり、こらえ切れないほどかなしいことがあったりしたら、僕は畳んだ羽を丁寧に伸ばして、空へ飛んでゆくのです

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