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France_pan 「スペアー」 dependent theatre 1st

公園と部屋をシンクロさせる美術。中央円形の小さな砂場から砂が溢れ出て部屋全体を覆っている。舞台奥に大きなスクリーンを配し客席頭上に舞台を取り囲むようにしてジャングルジムや迷路、檻を連想させるタンカンを組んでいる。ブランコの鎖や水槽など拘束や緊張をイメージさせる道具が置かれている。客席は舞台を取り囲む形に組まれ、舞台と一体になるよう仕組まれている。


オープニングはスクリーンいっぱいに映ったファミコンのゲームを田中さんが無言でクリアしていく場面からはじまる。そこに同居人であるハルちゃんが登場し、田中さんと自分との関係について語り始める。爆発物を避けながら、迷路を抜けるゲームはこれから舞台でなされる出来事の全体像を象徴している。不自然な独白、不自然な関係性の中に会社に行くとか家賃を払うとかいうあまりにも現実的な内容が突如挿入される。セリフは「っていうか・・・だからさ・・・~なわけ・・・」などの接続詞で構成され、リアルでリズミカル。俳優の妙に弛緩した身体の動きもセリフに連動して、現在の緩んだ感覚をうまく表現している。


観客からの死角をあえて意図した舞台の組み方や、薄暗がりの演技など意図的な暗黒部の表現、カメラというフィルターを通して表情を映し出す等、舞台と一体である半面、覗き見的如何わしさもつきまとう。俳優がどんどん脱がされていって真っ裸で絶叫するシーンは普段は見えないものが見えるという恐怖や好奇心をあおって覗きの興奮をもりあげる。そういった卑猥さや残酷さを俳優二人に課す一方、女優には課していないところは残念。イジメられていたことを独白するシーンなど女優に関わるセリフや演技はありきたりで消化不良。変わって俳優に関するシーン、ボーリングでいつもつい高スコアを出してしまい、全部倒れるとむかついて仕方がない、とかボーリング場でバイトの胸ぐらつかんで、そのままバイトを抱えたてレーン突っ切ってピンに激突するとか、ドキュメンタリーを撮りながら露出願望と隠匿願望を垣間見せる男等の男性像がユニークで面白い。


現実が多面的であり覗く方向が違うことで様相が逆転することを随所に提示。あえて矛盾を作り、暴力・崩壊・欠落・激痛・衝動・拘束・開放などの感覚の断面を提示して一つのジャングルジム的な迷走世界へ誘う。劇場という暗黒空間や狭さ、箱に押し込まれている窮屈さ、演劇でなければ表現できない土くさい部分があり音楽・空間・映像などに必然性が随所感じられよかった。


最初のゲームのシーンはもっと暴力的でリアルな方がよかったのではと思う。最初のパンチが演技・演出ともに弱く、途中の衝撃シーンで押し込まれるはずが逆にひいてしまう。構成方法迫力のバランスや俳優の演技の問題、客との接点を捉えてながら脚本を書く、ストーリーを展開するという部分でまずく、客席にリアルな感覚をもたらすことを意図していると予測されるシーンで、逆に「自分は今ここに舞台を見に来ている」という妙にリアルな感覚を呼び覚まされて冷めてしまう。客が置いてけぼり状態が多々あり、接点がつかめないため感動がなく、もったいなかった。表現する内容が内容だけにもっと引き付ける仕組みを考えればいけない。


観劇からもっぱら遠のいていましたが、以前の「倦怠アヴァンチュール」に出ていただいた俳優さんが出演していて、かつロングランということで見に行って参りました。演出家のトークがある回もあったらしいのですが、聞かなかったので、製作意図などは明白に掴めてないのですが好きほうだい書いてすみません。関係者皆様お疲れ様でした。


明日までやってますのでピンときたら→http://frpn.com/


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