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レオス・カラックス

非常に影響を受けた映画。とにかく残像が頭に飛び散って離れなく、しかも日を追うごとに映像が濃くなってゆくという魔的な映画。映画(俳優も含め)は筋書きではなく語りえぬことを語るものであることを教えてくれた一作。いまだにこの映画以上のラストシーンはお目にかかっていない。舞台でなんとか再現したいものだといつも思っているが当然未だ至らず・・・・。
20年で4作という寡作の監督、映画の神童、レオス・カラックス。名監督を何人も輩出したフランスの伝統ある映画評論誌「カイユ・デュ・シネマ」で批評を書き、「ボーイミーツガール」で鮮烈なデビュー。代表作の一つ「汚れた血」のラストシーンはフランス映画界を転覆させたという代物、ちなみに私も仰天した。「ゴダールの再来」とのフランス映画界にして最高の賛辞を送られているが、私はこの「汚れた血」に関して言えば、ゴダールよりも優れていると思う。敬愛するソンタグは何度も見れる映画こそ優れたものだと言っていたが、私は一度見て忘れられない映画こそ優れたものに思われる。

アミューズソフトエンタテインメント
汚れた血

彗星が地球に近づき異常気象が発生する地球。アレックスはいかさまのトランプ師。煙草の吸い方までまで真似し、一度も振り向かなかったからという理由でバイクから飛び落ちるほど狂信的にアレックスを愛する彼女。ある時、金庫破りの名人であった父親が亡くなり、その仲間からアレックスに親爺の仕事を受け継がないかという電話が入る。それはSTBOという流行の感染症の特効薬を盗み出すというもの。彼女を置いてアレックスは去る。彼女が、逃げるアレックスを追いかけるシーンは物狂おしく二人の間にある膨らんだはちきれそうな距離が痛い。その後アレックスは父親の仲間と合流する。その時に一緒にいた仲間の彼女、アンナにアレックスは恋をする。当時監督の実際の恋人、ジュリエット・ビノシュが演じる。どうにもならぬ恋、熱した地球、デビット・ボウイ「モダン・ラブ」の音に乗ってアレックスがジャンプしながら疾駆するシーンは今にも爆発しそうな押し殺した気持ちが伝わる。逃走準備のためパラシュートの訓練を受けるアンナ、そのまま失神してしまうのをアレックスが助ける。STBOの入手に成功しながらも、それを狙う大物の老女に撃たれるアレックス。車は走行し続け、血を流し続け死んでゆくアレックス。そんな車両の後ろを、狂気的に彼を愛した女がバイクで追いかける。



胸の痛み、爆破しそうな孤独、狂信的な恋、望むべくもない想い、つかめない夢、静かな絶望、声にならない激しい抵抗、疾走、疾駆、ナイーブで鮮やかで、この映画の感想には沈黙が似つかわしい。

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