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黒澤明 「羅生門」1950

以前、三船の男臭さが気に食わず見ず嫌いだった黒澤監督作品だが、「羅生門」と「七人の侍」という代表作品を二作を見るや後悔し、日本に黒澤に並ぶ監督はいないということをまざまざと認識させられた。日本映画界の中でずば抜けて抜きん出ている、他にも小津監督や溝口監督など並び称される監督がいるが、私は頭一つ抜きん出ているというより、超越した位置にいると感じる。この三者や他の日本映画の優れた作品に共通する、日本映画が世界にひけをとらない点は「静謐を理解している」点と、「型の美しさ」だと思うが、黒澤監督はそれに加えて、ヌーヴェル・バーク期の優れた監督やハリウッドの大物監督にも引けをとらない「動」を理解している。その大胆なカメラの俯瞰、アップ、勢い、その立体的な演出はまさしく天才的で、日本のどの監督も持ち合わせていない。今現在も、世界のと冠される日本人映画監督は黒澤以外はいない。

原作は芥川の「藪の中」。雨の降りしきる羅生門の下で二人の男が、信じられないものを見たと話している。引っ立てられた三人の事件当事者とそれを見ていた話し手の四者の話が全く違う話となって検非違使に伝えられる。それぞれの口から話される話が全て映像として再現される。


山賊(多襄丸)の話 
馬に乗った女の笠の垂れ布から見える女の美しさにぞくっとなって、多襄丸は一緒にいた武士を縛り上げ、女を手篭めにする。女はどちらか一人が死んで欲しい、生き残った方と一緒になろうと言う。二人の男は殺しあい、多襄丸は武士を殺すが、見ると女はいなかった。
女の話
手篭めにされたあと、夫が蔑んだ目で自分を見ているのが分かった。「やめて、そんな目で私を見るのは」と叫んで気絶してしまった。目が覚めると夫の胸には短刀が刺さっていた。
武士の話
女は手篭めにされた後、多襄丸についていくが、あの男を殺してくださいと言った。多襄丸は武士に「この女を殺すか?助けるか?」と聞いた。女は隙を見て逃げ、私は胸に短刀を刺した
見ていた男の話
武士は辱めを受けて自害せぬ女などいらんと言った。それを聞いた多襄丸も嫌気がさして去ろうとした。女は取りすがって泣いたが、突然笑い出し、男なら腰の太刀にかけて女を自分のものにするんだ!と叫んだ。男二人は殺し合いをしたが、女はその間に逃げていった。


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大映
羅生門         
芥川 龍之介
薮の中

ラヴァエルのボレロがうまく使用されている。微妙な心理描写の話をすざまじい演出力で息もつけぬ展開に仕上げてある。世界ではじめて太陽にカメラを向けたという画期的な作品でもある。京マチ子の妖艶さは夢にまで取り付きそうな感じだ。芥川の藪の中とは的の当て方が一風違った感じではあるが、芥川の小説も素晴らしいものなら、黒澤のこの作品も引けをとらずすばらしい。

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