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愛人

今でも一番好きな文学作品をあげろと言われたらこれをあげるかもしれない。「18歳で私は年老いた」この衝撃的な書き出しにまず打ちのめされた。


マルグリット デュラス, Marguerite Duras, 清水 徹
愛人(ラマン)

仏領時代のインドシナ(ベトナム)で仏人の少女がメコンの渡し舟の上で華僑の青年に出会う。青年は少女を恋し、その身体に狂っていく。少女はまるでお金のために彼と寝るのだといわんばかりに振舞う。ところが少女は仏蘭西への帰国船の中でショパンを聞いて思わず涙を流し、自分が青年を愛していないという確信が突如持てなくなったのだった。

少女時代をサイゴンで暮らした著者の半自叙伝的小説。著者はこれを年老いてから書いている。全体がまるで歌でも歌っているかのように淡々と呟くような流れるような散文詩的作品。明確なS+V形式はなく、作品(作者)の背景を知らないと充分には理解できない説明不足の文章であるにも関わらず、時折襲う息巻いてやってくる感動はその不足部分にある何かが髣髴する香りゆえだろう。自分のことがまるでひとごとのようにどうでもよさそうに書かれたこの作品、それでも固い意志やささやかな哲学がこの少女を通じて伝わる。


ビデオメーカー
愛人(ラマン) 無修正版

ジャン・ジャック・アノー監督によって映画化され、日本でも大ヒット、一躍デュラスの名を知らしめた。ガブリエル・ヤーレがつけた音楽も美しく、原作とは若干イメージが違うもののレオン・カーフェイの演技も抜群で主演女優が何とも言えない子供の色香を出している。映画もまた素晴らしい作品。


サントラ

ラマン オリジナルサウンドトラック

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