刺繍草紙

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Love Is The Devil

フランシス・ベーコンという画家がいる。偶然だが、前回に描いた「戦艦ポチョムキン」はベーコンに多大な影響を与えた映画である。オデッサの階段で腹を打たれ、口をあけて死んでゆく地獄を歪んだ姿で描いている。デフォルメされた部分、そしてフォルムにこだわった具象的な絵画。彼はピカソと並ぶ絵画の巨匠である。


私がベーコンで最も好きな絵は、揺り椅子に座った男が悶絶しながら落ちていく様子をえがいた絵だ。どことなくムンクにも似通う。すきというにはあまりにも抵抗がある絵だけれども。


そのベーコンと彼のファムファタル的存在だった愛人ジョージの映画。監督はベーコンへのオマージュをそのまま映画にしたようなイメージで、陰影の強く鏡面のように歪み光を駆使した画面作りにこだわっている。彼が影響を受けた「戦艦ポチョムキン」のワンシーンもそのまま出てきたり、散らかったアトリエもそのまま再現するなどドキュメンタリーな部分もある。ベーコンの絵画だけでなく、例えばフェルメールの構図なんかをそのまま借りてきたようなシーンもあったり絵画全体からの引用もある。


男同士のからみが、ベーコンの絵を準えるように描かれ、王家衛の「ブエノスアイレス」と並ぶぐらいに傷深く、良い。音楽がちょっと非凡だなと感じたら、日本の坂本龍一がやっていた。


映画はジョージとの出会いに始まり、愛ゆえ、疎外ゆえ、もしくはベーコンの才ゆえに孤独を深めたジョージが死ぬところで終わる。映画を見終わると網膜がチカチカして、何かが擦れるような残音がする。そうしてグラスに酒を注いでしまい、グラスの表面に青く窪んだ二つの目がこちらを見ているのを発見する。

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