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「インランド・エンパイア」 デヴィット・リンチ

昨日は夜遅く、劇団員の吉本が唐突に遊びに来た。まぁ、唐突にとか、思い立ってとか、ふらっと、不意にとか他人のそんな衝動に好意的、かつ興味津々な私としては歓迎だ。土産にいただいたビールと冷蔵庫にあった豆腐を突きながら夜な夜な話をしたが、なぜ彼が突如あらわれたかについては謎だった。まぁ、だいたい大人っていうのは(もう大人とよんで差し支えない状態に陥ってしまった・・・)周辺を突きながら、そのことで核心に触れるよりもより居心地のよい共感を共有できたりするのかもしれない。


ニーチェの書評を読んでいたという私に、彼は「アポロン型」と「ディオニソス型」の特質に触れ、ニーチェ解読の手ほどきを話してくれたのだが、脳みそから鈴の音が聞こえそうな私の頭では到底理解も出来ず、瞳はビー玉で、はい終了。その後、本棚の本についての話になり、なぜか私が古本屋でわずか100円で入手した、大槻ケンヂの日記本に興味を示す吉本氏。たまたま机に乗っかっていたシーレの画から画集をひっぱりだして絵の話などを一通りした後、好みの女の子の話などになったら俄然そっちの方が盛り上がり、俗物性を再認識・・・まぁ、そりゃそうだよなぁ・・・人生やり直すべきか、脳みそ入れ替えるべきか。


それで、前置き長くなってここから本題なんですけども・・・デビット・リンチの最新作を見に行った。シュルレアルの三時間に及ぶ大作だ。吉本さんは一度一緒に行こうと誘ってくれたらしいが、すっかり失念。勝手に見に行ったのですが・・・なんといってもベネチア金獅子なのに市内の封切は1館だけ・・・日本人はアカデミーにしか興味がないことに納得。仁侠映画ご用達のにおいがする古ぼけた映画館で、客は少なめ、しかも上映2時間に及ぶ頃にはおじさま方の退席がちらほら出る始末・・・。痛ましい事態ではあったが、映画は良かった。さすがの狂才、意味が分からない!インランド・エンパイア、まさしく「内なる帝国」がその全てをあらわしている。世界はいくつかの側面、例えば兎人間の部屋、映画女優ニッキーの話(映画内で殺人がおこると予言されたニッキーは)、映画内の映画「暗い明日の空の下で」(実はいわくつきの呪われた映画だった・・)、に分断され、それぞれの入り口から入ったストーリーは出会ったり、すれ違ったりしながら交錯していく。


音楽家でもあるリンチ監督の音響センスは抜群、それに才能あるホラー演出がストーリーの不可解さにも関わらず、全体をキリリと締め上げて面白くしている。ダークに進行していくストーリーに突然、はっちゃけたお色気ダンスが入ったりして私のようなB級素人のツボもきちんと抑えてくださる。ちょうど今、シュルレアル小説の入門書とでも言うべき、アンドレ・ブルトンのナジャを読んでいるのだけれど、まさにそれの映像化という感じで、妄想から妄想へ、三角からピラミッドへ、ピラミッドから薪の切り口へみたいな・・またもや言ってることが訳が分からなくなったのでそろそろ終わる。封切られている間に行く方が身のためだ。


リンチの映画で久々に祐木奈江を見た。とぼけた英語で、膣に穴が開いた友人のことを喋り続けるというスリリングな役。思わず彼女が活躍したドラマ「ポケベルがならなくて」の主題歌が懐かしくて、コードを引っ張り出して弾いてみた。秋元康の寂しい歌詞にのせた、コード進行の綺麗な曲だ。


http://www.inlandempire.jp/index_yang.html

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