刺繍草紙

logs

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脚本からイメージへイメージから脚本へ

最近、やった即興エチュードから素晴らしかったものを一話披露。

テーマは次回参考資料、「映画監督タランティーノ的世界のありよう」より

俳優 よしもとともしよ 日和周


諸兄は「アラモ砦の誓い」を知ってるか?。俺の祖先はテキサスの独立を目指しメキシコ軍と最後の一人になるまで戦い破れた。だが「アラモの誓いを忘れるな」という合言葉に再び再起しついにテキサスの独立を勝ち取った。俺にはそんな熱い血が流れている。


ところで、どうでもいい話だが、今日も俺のアステカ荒野には風が吹く。どうでもいいことだが、トラックの荷台から転がったようなサボテンがそこらに落ていやがる。


どうでもいい日のことだが、腐ったバーのしけた椅子に座っているとき

カランカランと音がして奴が入ってきた

汚いパンツと汚いブーツを履いて、どうでもいいつばの帽子をかぶっていやがる。

「コロナビール」

奴は親指でコインを弾くと、超速球で滑り込んできたグラスを一気に飲み干した。

見ない奴だ・・・だが俺は感心したようなそぶりで友情を示す。

「ソルティ・ドッグ」

俺はコインを投げ出すと、更に剛球のグラスをキャッチし周りにへばりついた臭い塩を舐める。

本日は何もかも良好という訳だ。この見ない顔のうさんくさい奴を除けば


奴は興味深そうに俺の飲み物を見やった

「そいつは何だい?」

「こいつはソルティ・ドッグだ」

「知らないね」

「知らないだって?お前はこいつを知らないのかい?」

ソルティドッグを知らないなんて、犬みたいに腐った舌だ

「そいつは甘いのかい?」

「甘いかだって?」

くだらない質問だ。まさしくソルティドッグが甘いかどうかなんて、砂漠になぜ砂があるのかって質問よりださいじゃねぇか。でも俺はちょびっとは紳士だから怒ったりはしない。

「飲んでみるかい?」

「いや、要らないね」

俺の申し出を断るなんて、こいつはとても楽しい奴だ


「今夜は楽しくやろうぜ」

「そうだな。もう一杯いくかい?」

「いや、いいんだぜ。俺は飲まなくても、お前が楽しくしてくれりゃ」

「そうかい」


奴はなんだか気持ちの悪い感じの溝色の液体を啜っている。見てるだけで吐き気がしそうだ

「お前は何を飲んでるんだい?」

「只のビールさ」

「どんな味だい」

「飲むかい?」

「いや」

「そう言わずに飲んでみろよ」

奴はそういって、飲んでいたグラスの中のくさった液体を俺の頭にぶっかけやがった。やれやれ、これで今日はシャワーを浴びなくてすむ。本当に素敵な夜だ。

「お前も飲めよ」

「いや、よしておくよ」

俺は奴の顔にもソルティ・ドッグを浴びせてやった。奴の動かない脳みそも少しは冴えるってもんだ


そうして、奴は腰に手を回すとちょっと色っぽい銀の唇を突きつけやがった。もちろん俺の右手人差し指にはとうに素敵な引き金がぶら下がっている。

店じゃ壊れかけのスピーカーががなっている。おっと、誰だ。こんなところにぐわんぐわん、気の利かないピストルズを流すのは。こんな時のバックコーラスは渋いブルースと決まっているんだ!明日、店のおやじによく言っておかなくっちゃならないなぁ。


もちろん明日があればの話だが。

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フォビア

ああ、

 裏切りは 

  空に点ず真っ赤な雲雀の咽笛


 もう、

  これ以上 

   何のことを思えばいいのでしょう


 ああ、

  絶望は 

   都会に響くパイプのオルガン

  

  手に 

   結んだ

    澄んだ水に光るパールの苛立ち


  

    孤独は暗い海の口笛で

    夕焼け空を引き裂いて 充血



一枚の蕗の葉


照明屋


彼はいわゆる明かり狂でした。その昔の先祖は道端の街頭に油を点す職人であり、その後その血はたえているかに見えましたが(というのは彼の両親もそのまた両親も只の役人や教師であったため)突如、彼をしてその血を沸かせ、彼は幼い頃から光のとりこであり。ステンドグラスに映える光を一日中眺めていたり、夜になるとゆきすぎる汽車の窓から漏れる光に魅せられ、またエジソンの文献などを紐解き自分でも電気を作ってみたり、ドラクロアの絵画などを好んで研究したり致しました。彼はウィンブルドンの大学で、電子工学を学んだ後、研究室に引きこもり、木枠にゼラチン混ぜた液体を入れ、植物などから採取した色材を加え薄く延ばし様々な色彩を持ったゼラチンペーパーなどを作る研究に没しました。


最初のうち彼はお気に入りのデザイン画や立体的な玩具のブロックなどを持ってきては、その色調やあてる角度、光量などを試してみて、それを一つの作品として保存するという作業に夢中でした。そのうちそれではあきたらなくなり、灯かりを十も準備した上、時間が来れば変化するという仕組みを作りました。また最初の頃は赤に見えたものが段々とどす黒い紅色に変わり、そのうちその紅色が薄まって、黄みが加わり橙に変化していくというような変わった明かりも考案しました。またその点灯と消灯により全ての季節が動いていくかに見えるプラネタリウムのようなものも作りました。そのうち明かりが動くのではなく、対象物が動くことによる明かりの変化というものを思い起こし、動いている歯車や黒光りするベルトコンベア、カットガラスの回転しているものなどを充てる作業に夢中になりました。そうして、条件が多ければ多いほどその計算は非常に緻密になり、彼は研究室に篭っては歯車がこの位置に来れば、この角度の明かりがつくといった計算をしておりました。


ある時、ウインブルドンの全市が停電するという騒ぎがおこりました。彼は自分でちょっとした発電装置ぐらいいくらでも持っていたのですが、久しぶりにもっと原子的なもの・・・そう蝋燭でも使って脳を休めようと考えました。彼は蝋燭の光を元に、小さい頃読んだアンゼルセン童話集などを見るともなく捲っておりました。彼はふと月明かりが窓からさしているのを感じ、ほほえましい気分になりました。

それにしても蝋燭の明かりというものも、月の陰影というものも全くに予測できるものではない・・・

彼は考えました。彼ははっとしてもう一度月と蝋燭を眺めました。「今までこんな美しいものを忘れてしまっていたなんて」決められた位置から全く動かない物質や定期的に連動する時の機械的動作は最終的に予測がついてしまう、それは本当の自然の偶発的な美しさの前にはひれ伏してしまう。そうして彼は考えました「もっとも予測のつかぬ自然のものとは何だろう・・・」彼は蝋燭の火の揺らぎを目に宿しながら、沈思しました。ほどなく彼は女の肉感的な身体が襲ってくるような眩暈に囚われました、身体を上下し、腕を絡げて髪を掻き揚げ、尻を振る。そこへ男もやってきました。男の官能的な筋肉を連動させ女に挑もうとします、彼の胸を滑るなまぬるい汗が煌いています。彼の脳は二人の人間の動く四肢を捉えることで頭が一杯でした。女の腰を鈍色に浸し、浅黄色の光を目のまわりに配しました。光沢のある朽葉色で二人を取り巻く輪郭に後光がさすよう覆ってみました。男の筋肉の動くさまに、太ももの隆起に、血管が細く浮かぶにあわせて真珠色の光時折強くさしました。突如、頭のなかで割れるような音楽の音を聞きました。ツィゴイネル・ワイゼンのヴァイオリンの響きでした。そうして玩具のブロックが満点のプラネタリウムが絵画がそこにありました。彼は悟りました「舞台だ!舞台にこそ私の理想郷が存在する!」彼は喚きながら蝋燭の火を手にもって気狂いのように跳ね回りました「そうだ、舞台にこそ全ての予測不能と予測可能が、全ての自然的官能と、物質的芸術が共存する。これに光を与えるとはまさに神あたう作業だ」彼はこの有益な発見に有頂天なあまり、脳のステレオから演奏されるツィゴイネル・ワイゼンと共に朝まで踊り明かしました。


かくして彼は大学を辞め舞台の照明家になりました。そこには思ったように彼の理想郷がありました。彼は可能な限りあっちらこちらに明かりをつけ、最終的に操作する盤に配線するとボタンをピアノでも弾くがごとく叩いて思う存分照らしました。ところが舞台には彼の気に食わぬことが多くありました。まずもって気に食わないのは俳優でした。こいつらは好き勝手に動き回り、彼が数ミリでもずれると全てがなし崩しになるという完璧な位置から、数センチもずれるのでした。そのたびに彼は高いところに吊り下げてある明かりをトントンと叩いては修正を繰り返さねばならないのでした。だいたいにおいて彼の素晴らしい明かりに見合う俳優などほとんどいないというのが彼の意見でした。光を操り操られるという俳優がその辺りに転がっているはずもなく、彼はほとんど彼らに怒鳴ってばかりで疲労していました。

それにつけても気に食わないのは演出家でした。彼の照明哲学を解さないどころか、色彩感覚や陰影美学を軽んじている節が見受けられました。おまけにちょっと俳優が間違ったりすると即座に「暗く!」などと叫んだりして、彼の美学を台無しにしてしまうのでした。それに明かりの数が多すぎるとちょっとうっとうしそうな様子で額を拭いたりするのです。彼はこいつらは許せぬという思いを次第に強くしていきました。


彼は時折、気に食わぬ俳優に光を浴びせるのをやめたり、明かりで熱して痛めつけたり、突如気に食わなくなると暗転をもたらしました。そうして演出家は舞台に出ないのでやりようもなかったところのでこっぴどいことを言ったりして彼の人生に幾度も暗転をさしはさみました。こうして今日も明かり屋は時折出没しては、いきなり暗転をもたらしたり、「光あれ」と叫んではあちこちに青紫やら鴇色や瑠璃色を作り出し、まるで神にでもなったかのような気分でようようと灯しては消し続けているのです。

あるこうる大学 入学試験

問い1 AとBの文章のうち、正しい方に丸をつけなさい


石室内の湿気による、キトラ古墳における彩色壁画の劣化は痛ましいものでした

ついに石室内における保存は困難との判断が下され

彩色壁画は細心の注意を持ってゆっくり剥ぎ取られました。

壁画は丁寧に博物館に運ばれ、

最古の壁画の一つとして、人々の目にさらされました。


社会の冷却による、その男の消耗は著しいものでした。

ついに社会における保存は困難との判断が下され

その男は大変な注意を持ってゆっくり社会から剥ぎ取られてゆきました。

男は丁寧に塀の中へ運ばれ、

社会悪の見せしめとして、人々の目にさらされました


解答欄            、           

コバルトブルーのお水差し

天上では偉大なる主が雲の上にあらせられ

瀬戸で出来たコバルトブルーの水差しから

眼下の空に莫大なる諦観を垂らしこんでおられました。


御唇は爪楊枝で歯をつついているといった形に半開かれ

御目を敗北したドジョウのように泳がせて、

その頬に橙の紅を薄くお散らしになった偉大なる主が、

左手で力なく水差しをお持ちになり、

いえもう手にお持ちになっていることなど、お忘れかもしれませんが・・・


雲の上から、

眼下の空に莫大なる無為を流し込んでいたのです

無題





空羽「千仞奈落~男と女の愛憎劇~」

~宣伝~


レトルト内閣のメンバー(川内信弥・藤京子・日和周・睡蓮)

が出演します。関西方面の方は是非足をお運び下さい。


千仞奈落~男と女の愛憎劇~


■脚本・演出・振付■野道綾子


■日時
2006年6月2日(金)19:30~       

3日(土)15:00~/19:00~       

4日(日)14:30~/18:00~


会場AI・HALL(伊丹市立演劇ホール)


■料金
前売券   (自由席)・・・2800円 

前売券   (指定席)・・・3500円

当日精算券(自由席)・・・2800円 当日券   

(自由席)・・・3500円■チケット取扱い・お問い合わせ

チケットぴあ (Pコード:367-847) 


HP→http://ku-u.net/



銀幕遊学◎レプリカント 「ミカドロイド ~IBMマシンの夜に取り憑くロボットの夢~」

~宣伝~


出演します。稽古も本格化し、面白い作品に仕上がりそうな予感です。関西方面の方は是非足をお運び下さい。


ミカドロイド ~IBMマシンの夜に取り憑くロボットの夢



台本・楽曲・舞台効果 佐藤 香聲

出演
栃村 結貴子/三名 刺繍/千代神 キリコ/伊原 加積/柏原 愛/豊田 智子/内藤 絵理香/米本 賀織/関原 綾乃/高橋 温子/三宅 ひとみ/小谷 麻優子/川面 千晶/斎藤 共

弦楽ユニット◎オペラハット
佐藤 香聲 keyboards/松波 敦子 vocal/多賀 聡 percussions/白水 徹 saxophone

日時  2006年6月10日(土)開場・開演 19:00
          6月11日(日)開場・開演 17:00

会場  神戸アートビレッジセンター


料金  前売 2,500円/当日 3,000円?

【ご注意】
■開場・ 開演は同時刻です。
■演出上の都合により、開場・開演15分後から最長で約20分間のご入場をお断わりさせていただきます。


(内容)

チャペックのロボットに始まり、リダランのアンドロイドを経て、ディックのレプリカントに至るまで、小説に登場する「自動人形」や「人造人間」は、不休の労働力や透明すぎるエロスと快楽、そして並外れた情操をもった「完全な存在」として描かれている。そんな彼ら、彼女らと人間との共存は決して幸福な結末を迎えることがなかった。つまり「不完全な」人間が、完全な自動人形や人造人間を描けば描くほど、理想的な共存から遠のいてしまったのだろう。では不完全な人間は何をもって完全を目指すのだろか。寺山修司の言葉に「人間は不完全な死体として生まれてきて、完全な死体となる」というのがある。なるほど完全な死体をもって人間は完成されるのか。つまり死ぬために生きているということである。ここで思い出されるのが「中国の不思議な役人」というバレエ(パントマイム)作品である。主人公の中国の役人は、処女の真実の愛を得ることによってしか死ぬことができない、という設定で数百年もの長いあいだ不死の業によって生き続けている。彼は「死ぬために」真実の愛を求め続け、ついに一人の少女とめぐりあう。そして、生きることに目覚めるのだが、同時にそれが役人の死の時なのであった。メニエルト・レンジェルの台本「ミラクル・マンダリン(中国の不思議な役人)」は、ハンガリーの作曲家バルトークによってバレエ化されたが、あまりにも背徳的である、という理由によって、1926年の初演以後、作曲者自身が死を迎えるまで、封印されていた。実際、少女の愛がほんもかどうかを験すために、まるで人形を扱うように弄ぶ場面は不道徳でエロチックで、それゆえきわめて耽美的である。今回の作品「ミカドロイド」はこの「中国の不思議な役人」から素を得ている。生と愛とを対立するものとして描いたコンセプトは、そのまま「完全な死体」として存在する自動人形や人造人間に通じるからだ。つまりは中国の役人こそがロボットだったのかも知れない。そして彼が暴力的かつグロテスクに愛そうとした少女は、ベルメールや可淡らの人形と同義で、不完全で、曖昧で、脆弱な存在として演出してみたい。



HP→http://www.geocities.co.jp/Hollywood/3332/



かなしみ

わたくしは、生まれてこの方・・かなしみなどは知りません

知っていることは、これから先、

かなしみなどは知ることがないだろうということです

このほしのどこかでは、今もどこかで誰かが泣いています


わたくしは、生まれてこの方・・かなしみなどは知りません

知っていることは、これから先、

かなしみなどは知ることがないだろうということです

どうしてって、そのことをかなしいととは思わないからです

結婚式

純白のウエディングドレスはオートクチュールです。とてもシンプルなAラインワンピで、でも世界にたった一つだけです。指輪が交換されて、鐘が響き渡ります。小さいけれど素敵なブルーダイヤが恥ずかしそうに乗っかっています。小さな教会の扉から空に向かって白い花束がふんわり踊りました。それが地面に落ちるまでに、お婿さんはお嫁さんにそっと頬を寄せました宝石ブルー

「愛してる?」

そうさりげなく尋ねたお婿さんの顔をお嫁さんはじっと眺めました、


その間に花束は地面に落ちました。


ピンクのドレスを着た彼女の親友がその花束を拾い上げました。

お嫁さんはにっこり笑って

「あたし、幸せだわ」

って言いました。

そして、空を見上げました。よい天気なのですが、すこうしだけ水色が翳っているような気がします。

どうしてかしら…?もしかしたら私の瞳の粘膜が濁っているのかもしれないわね…

ふとそんな考えが頭をよぎりました。


その日は本当によいお天気でした。


お嫁さんは『より愛していないこと』を幸福に感じたのです。




Paging Navigation

Navigations, etc.

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